恒例のアレ(ただし、1ヶ月近く前)

もう、一月近く前の話wなのですが・・・今年もこの季節がやって来ました。劇場版ドラちゃんの時期です。


・・・正直な事を言わせてもらうと、ほぼ1年ほど前・・・2010年の劇場版を観た帰りから・・・あの「予告」の映像に出てきた青くて丸い毬・・・オールドドラちゃんFANならば、見た瞬間に“その正体”に気がつくであろう“あの玉”を見た瞬間から・・・この日が来るのが憂鬱で憂鬱で仕方ありませんでした。


会場へと向かうB+Pの表情は、弔事のそれである



・・・いえ、他の面子の心情は計り知れませんが、自分自身はもう、誇張でなく映画館へと向かう時はこんなカンジでした。




さて・・・そんな今回の映画は旧作ドラえもんの中でも1位2位を争う*1『鉄人兵団』のリメイク・・・『新・鉄人兵団』・・・そう、「『鉄人兵団』のリメイクだから」という事情こそ、この憂鬱の唯一にして無二の理由でした。


個人的な話になりますが・・・以前にも話しましたが、自分は旧作ドラえもん劇場版は、『恐竜』から『雲の王国』までの13作品・・・半分くらいしか観ていません。観ていないのですが、その中でも仏契*2で好きな2作が、『魔界大冒険』『鉄人兵団』でした。
ただし、その「好き」な理由は全くの別であり、『魔界大冒険』は「好きだけど、まだまだ上を目指せる=改善点もあるかなぁ」というものであり、逆に『鉄人兵団』は「OPからミドル、クライマックス・・・そしてエンディングの歌に至るまで、全てが全て噛み合っており、ただ一つの要素とて外すことは出来ない完成されすぎた作品」というのが、自分の評価でした。*3


・・・そして『新・魔界大冒険』と『新・鉄人兵団』です。
知っての通り(?)、『新・魔界大冒険』が「メジューサが美夜子さんのお母さんだったんだよォ! オロロ〜ン!」とかいう意味不明にして話が複雑になるだけの変更を行ったせいで、冒険舞台まるごとショートカットされてしまったり、OPの映像が一切合財作中で活かされなかったり、肝心の美夜子さんとお母さんの再会シーンは感動的に描かれているか?と問われれば「し、尺が足りなくて…」とそっと目をそらしながら弁明を始めてしまいそうな急展開ポカーンな出来だったりと、トホホを通り越して怒りゲージだけが振り切れそうな作品に化けてしまった影響もあり・・・兎角、『新・鉄人兵団』には全く期待をしていませんでした。寧ろ、この時期のお約束として流されるTVCM内にて、何だか奇妙奇天烈なナマモノが登場していて「お、お、おおお俺の知ってる『鉄人兵団』にこんなバケモノの入る場所はねェぞ!?」・・・と、恐怖心の方が強かったくらいw




・・・話を戻して・・・今回の介錯人(?)は、いつものどらんくタンともう一人、掛茶氏も何の因果・応報か、付き合うことになりました。
色々と始まる前からブチブチ言いたい所ではありますが、観てないうちから文句を言うのだけはしてはいけないというのが我がモットー故、全てをグッと抑え・・・上映開始です。








・・・上映終了。
スタッフ一同様、疑ったりして、申し訳御座いませんでした!【土下寝】


ビックリ! 今年のドラちゃん・・・いい出来じゃあないでスか! もの凄く!!
そら勿論、オリジナルと比べて云々とか、変更した結果「このシーン変じゃね?」的な所とかは・・・この後つらつらと書きますが・・・多々あるのですが、それらを考慮しても十二分に誉められる良い出来ですよ! 今年は!! しかもあの傑作『鉄人兵団』のリメイクという、ある意味もの凄い足枷がある状態でこの出来・・・今年は素直に感動しました! おかげで書くことが多くなりすぎて、こうして一月近く感想文を書くのが遅れてしまいましたがね!w


さて、それでは今回の良かった点/悪かった点を箇条書きにて垂れ流しましょうかねェ・・・


< 良かった点 >
● いつもの「素人声優による素人演技」がなく、主要キャラが皆プロだったのでガクッと来るような演技がなかったところ
 …まあ、エネミーの中にはいつもの芸能人声優も居るのですが、観客が一番感情移入する主要キャスト陣が本業の声優で固められていたため、安心して観ること/聞くことができました。
 実際、『始めは鉄人兵団のスパイ。後にのび太たちの“心”に触れて、生まれ故郷すらも裏切る立場』なんていう心の動きの複雑なキャラで棒演技されたら、それこそ台無しにも程がありますからねぇ…毎年こうしてくれればいいんだけどなァ…【全てを諦めきった目】
● 新キャラ『ピッポ(=ザンダクロスの脳=ジュド)』の存在
 ある意味、今作の最大の追加要素…それがこの『ピッポ』の存在でした。
 始めは「まーた余計なキャラ出して尺足りなくするつもりかよー('A`)」とか思っていましたが…いや、想像以上に良いキャラでした。「静香ちゃんに対するリルル」「のび太に対するピッポ」というあてがわれ方で、二通りの「地球人と鉄人兵団」のコンタクト…そして別々の心の揺れ動き…そして別々のクライマックスの戦いという構造…戦う場所、時代、ある意味空間すらも違うというのに、リルルとピッポ、2人ともその“物語”の果てにある“結末”を予感し、語り合うシーンは……いや、もの凄く良いシーンだとは思うんだけど、子供に判るのか!? これ!?w
 旧作の「何だか知らないけど助かったワーイ!」というのび太のあのクライマックス後のリアクションも、事実を知らないが故の切なさ(そして知った時の悲しみ)などを感じさせてくれてよかったのですが*4、今作の「静香ちゃんとリルル」「のび太ピッポ」…2つの出会い、2つの心の揺れ動き、2つの“絆”、そして2つの別れ…というのも、賞賛に値する素晴らしい出来だったと思います。
● 鉄人兵団が、典型的ディストピア帝国風に描かれていた点&メカトピア本星の酷い環境の描写も執拗に行われていた点
 これにより、「まるっきり人間と同じ歴史」を辿ってきたという歴史・結果に納得でき、またリルルやピッポが結構あっさりとメカトピアを裏切る事に違和感が無くなったかと思います。正直、この設定が無かったら物語中盤になってやっと登場するピッポが裏切るのが非常に難しかったかとw
 …難を言うならば、もう『ロボット』である意味すら無いほど人間臭すぎる点?w
● クライマックスの 百式 ザンダクロスの戦闘は、作品を間違えているとしか思えないほど格好良かったw
 こ れ は ス パ ロ ボ に 参 戦 す る 日 も 近 い ネ ! w w w


< 悪かった点 >
■ 挿入歌、多すぎ
 …うん。はっきり言って、五月蝿過ぎw
■ 後半明らかに子供たちがダレていたところ
 自分とどらんく氏…互いに示し合わせたわけでも無いのに、上映後真っ先に行ったことは「携帯電話の電源を入れ、現在時刻を確認する」でしたw いやー、ホント、示し合わせどころか、何一つしゃべっても無いのに全く同じ行動し始めて…アレは面白かったネ!w*5
 その理由は簡単…元々物語的にはものすごぉ〜く“重い”『鉄人兵団』という作品。そこに、リルルと同じくらい“重い”設定のピッポを加えた事で“重さ”は倍! 過去作に無かった帝国のディストピア描写で更に倍! リルルとピッポの“重い”会話を節々に加える事で…バッファローマン、おまえをうわまわる1200万パワーの“重さ”だ――――っ!! …つまりはそういうワケで、兎に角観ていてかなーり辛い描写が多いんですよ。特に後半。
 しかも、そんな“重い描写”を延々、訥々と行う上に…

  のび太  ←→  自分の結婚式に「ぷにぷに☆ぽえみぃ」のOPを流されるという屈辱を味わった人
   ↑↓        ↑↓
   静香   ←→  杉田智和氏に絶交宣言をしたかわいい人

 …という関係で、4人が勢ぞろいでじっくり話をする/3人ほどで腰を据えて話をするというシーンが完全皆無なため、兎角話の伝達・進行が遅い=シーン数が多い=時間がかかる上に話ブツ切りでテンポが悪い=結果、ものすごーく上映時間が長かったように錯覚するという見事なエリアルコンボが炸裂したワケでした。
 いや、普通の映画なら良いシーンだし、良い“重さ”なんでスよ。実際、今回初参加となった掛茶氏は全く気にならなかったと言ってましたし。ただ、悲しいけどこれ『ドラえもん』なのよネw 毎年観ていた自分ら二人は、真っ先に気になったし、実際後半辺りで周囲の子供たちの明らかにダレダレな声が聞こえてきていたのが何よりの証拠。細かく『ライオン仮面』『オシシ仮面』とかのネタキャラ出してる場合か!w
■ 敵のうろつく街でバーベキュー
 『鉄人兵団』における貴重にして楽しい食事シーン…鏡面世界のスーパーで各々好きな食べ物を手に入れ、いつもの空き地でバーベキューというシーン。元々は「街の敵ロボットを殲滅した上で、街全体を結界で覆って危険管理をしっかり行った上での一時の休息」というシーンだったのですが、あろうことか今作では敵の殲滅はナシ!w しかも今作、敵の一般兵士ですらもかなりの脅威であるという描写が、これでもか、まいったかと言わんばかりに入っているせいで、のび太たちがあまりの恐怖に現実逃避に走ってしまったカワイソウな子たちに見えてしまいますw 『望遠磁石』なんて微妙極まる道具で、ワケ判らん時間稼ぎのギャグシーン演出してる場合か!w
■ ミクロス、完・全・消・滅!
 …ゴメンナサイ。完全消滅じゃなくて「前半で御役御免」でしたね。まあ、『ミクロス』という名前自体は偽り無く「完全消滅」でしたがwww
 おかげでもう一つのクライマックスに突入するための「神様に直接会って文句言ってやりたい!」という、突拍子もないトンチキな発言も、とてもそんな事言いそうになかったリルルの口から飛び出す事に。
 あと、ただでさえ絶望的な展開ばかりの暗い物語である『鉄人兵団』。旧作における随一のギャグ要員であったミクロスが消えた事により、終盤の展開が本気の本気で鬱全開満開完全疾走絶望大安売り中に…エンディングでこれ以上無い程出張ってる場合か!w
■ クライマックスシーンが、演出過剰すぎて何だかごちゃごちゃしてて見難かった
 特にvs鉄人兵団チームは、旧作であった「地上に降り、無機質な行進で攻めてくる」「武器のエネルギーが次々に切れていく」などの絶望的恐怖を煽るようなシーンが概ねなく、気が付いたらドカーンでバキーン…あらあらピンチになってるわよ!…というのが多かったように感じました。
 まあこれは自分がそう思っただけで、逆にそれまでの鬱で重い展開を吹き飛ばす…という意味では、あのハデハデな戦闘シーンの方が良かったのかもしれませんけどね。
■ 「そうさ! リルルは、天使さ!」も『わたしが不思議』もありませんヽ(´ー`)ノ
 おかげでサブタイトルの『はばたけ天使たち』の意味がイマイチわかりにくいような気がします…つーか、『天使』って単語出てきたのがリルルの最後…「天使のようなロボットになる」の発言だけのような気が…www
 ラストの、一瞬陽光の中に見えたリルルとピッポ(…らしい鳥型ロボット)の絵は、この上なく綺麗でしたが…まあ、二人がメインだったため、「リルルとピッポは天使さ!」では語呂が悪かったんでしょうなぁ…(寂




・・・まあ、総評は始めに語った通り「今年は大当たり!」で間違いないと思います。時間の都合さえ合えばもう一度観にいくのも吝かではないと思えたくらいにまで、*6今作は素晴らしい出来であったと思います。ホント、久しぶりに「俺、ドラえもん映画観たなァー!」と満足したヨ! 毎年観てるハズなのにね!w
後は今のところ「当たり」と思える出来のものが無い「(新キャストになってからの)オリジナル劇場版」の方ですが・・・例年通りならば、来年はオリジナル作品のはずであり、今回の『予告』では、絶滅したはずの巨鳥モアが登場していました。来年も、是非ともこのクオリティで頑張って欲しいものです。




















・・・さて、最後にオチの時間でございますw




















『鉄人兵団』で忘れてはならないのが、リルルの“全裸で手当て”のシーンだと思うのですよ! ワタクシはッ!(力説
いやホラ! このご時世だし・・・「まあ、リメイクでは削られてるだろーなー」とか思ってたら・・・しっかり残っていやがりましたですよ兄さん!w しかも、近年の妙に艶かしいデザインを踏襲したままで!w リルルさん、しっかり“おんなのこ(エロゲ的な意味で)”の体つきになってますデスよ!?w
・・・あのシーンを見た瞬間、『陰陽大戦記』のょぅι゛ょとケモミミが触手でヌルヌル緊縛”を観た時のような「何が信じられないって、この映像を認識している自分の頭が一番信じられない」という気持ちが蘇りましたw


リルルさん(声:みゆきち)が全裸のままで、リルルさん(声:みゆきち)が喘いで、リルルさん(声:みゆきち)が電気責めで、リルルさん(声:みゆきち)が磔にされるとか・・・もう、この一連のみゆきちボイス聞けるだけで評価してもいいんじゃね? 『新・鉄人兵団』www

*1:…とB+Pが信じているw

*2:ぶっちぎり(by 悟空道)

*3:勿論ツッコミ所はそこかしこにある=穴の無い作品ではない、とは思いますが、それでも作品全体の“流れ”が、自分にとってはどれ一つ崩すことの出来ない作品でした

*4:冷静にツッコミ入れると「いやお前! 隣でザンダクロス消えてるだロ!w」と言いたくなりますが…w

*5:実際は「上映時間:108分」…前回『人魚』が「99分」、『開拓史』が「102分」、『巨人伝』が「112分」…などと、極端に長いわけではない

*6:まあ、その時間の都合が合わなかったわけですがね…orz