オレ流シナリオのつくりかた

「『フルアドリブGMが格好良い」・・・そんなふうに考えていた時期が俺にもありました
たとえ頭の中では歴代アカデミー賞作品にも勝る物語が出来ていても、いざセッションとなると咄嗟に言葉として出てこない・思うようにまわせないなんていうのは、GM経験者なら「もう飽きたよ」という話題かと思います。これを避ける為にも、シナリオは絶対にしっかり書くようにするのが大事です。・・・大事だよね?(不安


そこでいつも通りの“ニコニコに填りすぎて日記に書くことないよ企画”『オレ流シナリオのつくりかた』をお送りして誤魔化したいと思いますw


なお、ここに書くのはあくまで「オレ流シナリオのつくりかた」であって、「作る際の注意事項」「心がけるべき事」等はほっとんど記述してません。そーいうのは過去のRPGマガジンを漁るなり、先日も日記で書いたR&R誌の記事を参考にするなりしてくださいw
あと、以下の「シナリオを書く」というのは「パソコン上のテキストファイルに書く」という意味なので、数年前の自分含むアナログ至上主義の方は悪しからずw




★第一行程『やりたい事を思いつく』
何と言っても、まずはここから。
インディ・ジョーンズみたいなトロッコに乗ってのバトルがやってみたい!」「新サプリに乗ってたこのトラップを使ってみたい!」「ジョジョのダービー戦やカイジのような知略戦を再現してみたい」etc…etc…。
これが思いつかないなら、無理にシナリオを作る意味もない。テキトーな公式シナリオを引っ張ってきた方がなんぼかマシ。


★第二行程『物語の粗筋を考える』
上記の『やりたい事』だけではシナリオフックにすらならない。今度はホントに大まかでいいのでシナリオの起承転結を考える。
何が起伏となって物語が始まり、それにどうしてPC達が立ち向かう事になり、PC達の行動の結果どのようにストーリーが展開していき、ラストどうなれば物語は終了するのか・・・細かい事はまだ後ほどにとっておくとして、『やりたい事』の周りに肉付けするように大雑把に考えて行く。
勿論、思いついた事は全てメモっておくことも重要。


★第三行程『使うTRPGシステムの決定』
物語の粗筋が見えれば、それが果たしてファンタジーなのかホラーなのか、現代ものなのかミリタリーものなのか・・・それが自分の中でもはっきりしてくる。よってここでようやくどのシステムを使うかを決定する。*1
注意点としては、同じファンタジーでもダイス目が起こす抱腹絶倒な展開が売りの作品もあれば、普通に運用するだけで溜息の漏れるようなストーリーを生み出すシステムが売りの作品もある。他のジャンルにしても然り。自分のシナリオとシステムの間にギャップは無いか、もっと相応しいシステムは無いか・・・勿論、それっぽいシステムにそれっぽいシナリオといういつも通りの展開でなく、新しい風が欲しいのであえてギャップの生じるシステムを選択するという考えは大いにアリだが、自分ひとりで遊ぶわけではないTRPGにおいて、その結果PLから反感が出ないか・・・苦難の道を選んだのは自分なので、その辺りは重々注意し、この後の本格的なシナリオ作成時苦労する事を覚悟する。
また、選んだシステムによって第二行程で決めた粗筋に変化が起きた場合ここで修正しておく。目標は、FEAR系のシステムによく載っている「シナリオフック」レベルまで仕上げる。*2


★第四行程『シナリオ作成・その1:雛型作成』
GMの心得やシナリオの作り方なんかは結構それ系の雑誌に頻繁に載るのだが、シナリオの書き方というモノは、少なくとも自分は過去十ン年間お目にかかったことがない。*3そこで自分が見つけた方法は『適当な公式シナリオの書式をパクる』
パクる公式シナリオは何でもいいのだが、自分が過去に使ってみて“やりやすい”と思ったモノが良いのは言うまでも無い。自分は毎回[アリアンロッド]の書き方*4を参考にさせていただいている。
【タイトル】【ストーリー】【今回予告】【ハンドアウト】【OPフェイズ】【ミドルフェイズ】【クライマックス】【EDフェイズ】【アフタープレイ】・・・まずは実際に書く内容が決まって無くても以上の項目タイトルを書いておく。*5


★第五行程【シナリオ作成・その2:ミドル以外】
後は上の行程で記述した項目を、ひとつひとつ埋めて行くだけだが・・・自分はまずは【ストーリー】部を書いてみる。拙くても無茶苦茶でもいいから、とりあえず書いてみる。基本は第二行程で考えた「起承転結」。何が起伏となって物語が始まり、それにどうしてPC達が立ち向かう事になり、PC達の行動の結果どのようにストーリーが展開していき、ラストどうなれば物語は終了するのか・・・他人に「このシナリオってどんなシナリオ?」と聞かれた時に、これを読み上げればどんな展開なのか一発で分かるように記述する。
後はどこから手をつけてもあんまり大差ないと思うが、個人的には【クライマックス】辺りが書くのが楽かなぁと思う。【OPフェイズ】と違い、既にPC全員が共通の目的に向かって行くところなのでイメージしやすい。
続けて【OPフェイズ】を・・・各キャラごとに作るのか、それともパーティーを組んだ状態で始める=一括オープニングなのかを決めつつ記述する。これが書ければ【ハンドアウト】や【EDフェイズ】は自動的に決まったようなものである。*6


★第六行程『シナリオ作成・その3:ミドルフェイズ』
そしてシナリオ本編で最後まで放置していた【ミドルフェイズ】に手をつける。
個人的見解なのだが、シナリオにおいて「面白い/面白くない」の明暗をくっきり分けるのは、このミドルフェイズだと思っているので、ここは気合を入れて作る。
自分は参考にしたFEARゲーのシナリオのように、必ず各シーンごとに「解説」をつけるのを忘れない。「解説」イコール「そのシーンのストーリー」である。誰が何処で何をしてどうすればシーンが終わるのか・・・それをきっちり記述する。実際に書く事によりしっかり自分自身で把握し直す&セッション中にテンパっても、シーン目的を見失わない為である。作品によっては「シーン制」という概念のないものもあるが、それでも物語の進行上「区切り」となる部分は必ずあるものなので、そこを目安に「解説」を入れていく。また、ダンジョンシナリオではあまりストーリーが重要視されない場合が多いので、そういう時はこの「解説」部分はスルーする事になる。
「解説」の次はシーンの「描写」。単に「ここは(紙にマップを書いて)こーいう部屋だよ」だけで済ませてしまうのも・・・まぁ確かにスピーディーで時には良いのだが・・・例えば「部屋はがらんとしていて、床には大量の埃、部屋の四隅には巨大な蜘蛛の巣が見える。その蜘蛛の巣も埃に塗れており、肝心の主はとっくの昔に何処かに行ってしまったようだ」と一言付け加えるだけで「おおお、俺ら何だか誰も踏み込まぬ秘密のダンジョンを攻略してるんだなぁ!」という気分になって、だいぶ雰囲気が違ってくるかと。
キャラクターの「台詞」も予め書いておくと便利この上ない。気取った台詞やら長い台詞なんてのは、プロでもないかぎりその場でペラペラというのは難しいものだし、何よりも恥ずかしい。だが、文章として書いておいて、ただそれを朗読するだけ・・・という形にすれば、スラスラと言えるのは勿論、羞恥心もそれほど出ないものである。「大丈夫、このキャラの性格は100%把握してるし、話さなきゃならない内容もバッチリだぜ!」なんて思っていても、いざセッションとなると、確かにロールは完璧かもしれないけど、肝心の話さなければならない内容と、どーでもいい雑談部分がごっちゃになって、結局ただひたすら間延びした会話を続けることになって、PL達に内容を把握してもらえないという、正にまんまこの文章のような事は多々起きるので、兎角必要な台詞は予め記述しておく事。


★第七行程『推敲』
さて、データ部分以外は何とか形になった。次に行うのはシナリオ作成において一番大事な『推敲』である。
・・・無意味に間延びさせてるようなシーンは無いか? 各キャラのモチベーションはこの展開で大丈夫か? 各シーンどれくらいの時間使う予定なのか? 結果予定時間をオーバーしてしまう事はないか? etc…etc……考え出したらキリがないが、それでも考えうる限り考え抜く。
特に上で挙げた事は、考えなければならない事の中でも最低条件なのでしっかりと推敲する。
場合によっては、最初の方で書いた【ストーリー】に変化が起きてる事もあるので、その際にはちゃあんと手直しすること。
あと、今まで放置していた【今回予告】や【アフタープレイ】部もここでチャッチャっと書いてしまう。


★第八行程『データ部』
ここに来てようやくデータ部を考える。*7
ザコの戦闘データ、ボスの戦闘データは勿論、各種能力判定の目標値、手に入るアイテム類・・・場合によっては、それらがシナリオに密接に関わってる為、第五〜六行程時にある程度決めてしまってるものもあるかもしれないが、ここで再度バランス調整を行う。
特にボス戦闘などは、大概クライマックスに置かれ、最もセッションが盛り上がる部分になる事が多いので、サンプルキャラなどを使ってしっかり模擬戦を行っておく。自分は、模擬戦はダイス目を期待値に固定して行う。


★第九行程『再度推敲』
ここまで来ればセッション自体はもう行える段階である。ここで、更なるセッション成功を願い、再度推敲を行う。
データ部が加わった事により、色々と変化した部分も出てくるかと思う。もしどうしようもなく辻褄が合わなくなったり、時間がオーバーしてしまったり、詰め込みすぎてPLがついてこれない恐れが出てきたりしたら、もっと前の行程に戻り、その部分をバッサリ切るのも大事な推敲作業である。大丈夫! 切った部分は別のシナリオで使うから!w
また、ここで重要なのは・・・これまたFEARさんの作品頼りで申し訳無いの一言なのだが・・・FEAR作品でよく言われる“成功のイメージ”をしっかりと持つ事。
「このシーンでこういう台詞を言ったら、きっとPLはこういう反応を返してくれるに違いない」
「この判定ではきっとこういう事になって、こういう反応で盛り上がるに違いない」
「このボスのこの能力できっとこういう判断をするだろう」
「この能力で攻撃したら、きっとこの能力で対抗して打ち消してくるだろうな」

・・・ひとつひとつのシーンの実際のセッション風景を思い浮かべ、しっかりと皆が楽しんでくれてる様子が浮かぶかどうか・・・またそのPLの中に自分が居るとして、果たして自分はこのシーンを、このシナリオを楽しんでいるだろうかという事を常に考えつつ、推敲を行う。*8


★『完成』
ここまで来ればほぼ完成。
あとは誤字脱字がないかをチェックしたり、ダンジョンマップを清書したり、戦闘に使う敵データを別紙に記述して用意したりなどの細かい作業を行うだけ。




「なにもここまで面倒な事しなくても・・・」と大概の人は思うかと。自分も改めて自分のやり方を見て思ったしwww
確かに、単純に「シナリオを作る」というだけならこんな面倒な作業は必要ない。第三行程くらいまででも出来ないことはないし、成功をおさめる事も可能だと思います。
だけど、「確実に成功をおさめ」「誰とプレイしても楽しめる」シナリオを作る為には、これくらいしないといけないと思うのですが皆さん日々をいかがお過ごしでしょうか? ここまでやる事の意味・目標は“このままこのシナリオを知らない他人に渡してもプレイできるくらいの出来に仕上げる”です。実際にそんなレベルに到達する必要はありませんが、それくらいの気持ちは持つべきだと思います。そういう気持ちで記述しなくては、自身で100%内容を把握したシナリオなんて書けない。書けない以上作れない。作れない以上GMも出来るわけが無い・・・とまぁ、自分は思っております。


フルアドリブGMというものがひとつのステータスシンボルであった時代もありました。実際、自分も自ら望んでフルアドリブを行ったケースも、1日を終えて「さあ寝よう」と思ったら電話がかかってきて「今、神楽崎悠牙の家にみんな集まってるから2時間後シナリオ作って来てくれ」と剣立に無理矢理呼び出され、止むを得ずフルアドリブを行ったケース*9もあります。
しかし、現代は違います。・・・っつーか、昔のフルアドリブGM信仰自体が間違っていたと思いますw そもそもアドリブなんてェのは、しっかりとシナリオを作っておかないと、大抵グダグダに流れるものだと思うってェのは言い過ぎですかそうですかw*10
GMである我々も大変な苦労を背負い込み、途方も無い時間を費やしてはいますが、PLのみんなだって貴重な休日を潰して遊びにつきあってくれているのです。これから始まる我々GMのシナリオに胸躍らせながら。
だったら出来る限りのことはしたいじゃあないですか! プレイ後「このシナリオ面白かった!」と言われたいじゃあないですか! それならシナリオはしっかり作ってセッションに臨むべきだとは思いませんか? 思うよね? 思って欲しいなぁ。


要するに何が言いたいかというと「シナリオ作るのって大事だよねー」という事であり、結局いつも通り何が言いたいのかわからない文章になってしまったわけで、もしここまで読んでる人がいた場合、深い、深いお詫びを申し上げます。
いつも通り、まとまりの無いgdgd文章でゴメンナサイ(土下寝










・・・そして最近、第一行程すら思い浮かばないまま『らき☆すた』見てヘラヘラ笑ってるだけの日々なので全ッッッッ然シナリオ書いてない/書けない俺ダルシム*11



*1:場合によっては、第二行程と第三行程は前後反転したりする事になる。

*2:実際にそのレベルまで達してるかどうかではなく、あくまで目標。・・・っつーか、プロの作品に追いつけるワケねぇしw

*3:もしくは「覚えてない」!www

*4:・・・を基調に、そこらへんのFEAR系作品のシナリオ

*5:ゲーム/シナリオによっては必要ない項目もあるだろうけど、自分は最初はとりあえず全部書いておく

*6:無論、システムによっては【ハンドアウト】が必要ないものもあるので、その場合はこの項目は無視する事になる

*7:・・・とはいえ、シナリオによっては今までの行程はそれほど重視されないもの・・・ダンジョンシナリオなど・・・もあるので、ここまで来る時間はその時によりまちまちである

*8:実際のFEARさんの言う“成功のイメージ”と違う考え方だった場合はゴメンナサイw

*9:ひょっとしたら以前にもネタにしたことあったかもしれないけど・・・剣立、俺は一生言いつづけてやるからな!!www

*10:誤解無きように記述しますが、シナリオにPCをキチキチに縛り付けろという事ではなく、シナリオをしっかり作っておく=ベースがしっかりしてるからこそ、アドリブによって生み出された新展開もしっかり足がついた展開になるという考えなわけで

*11:っつーか、この文章書いてる間も裏でずっと・・・w