リプレイ感想

アリアンロッド・リプレイ・ハートフル3 迷夢のコントラスト』
毎回「アリアンロッドにおける特殊な状況でのルール」が載っていて、実プレイにも色々役立つこの『ハートフル』シリーズ。・・・今シリーズ終わったら、リプレイで使われたものも含めて、“様々なセッティング/シチュエーションで色々使える判定方法の範例”みたいなのを纏めた『サバイバルガイド』とか出してくれないかしら?w 今回のネタは、ダンジョン/シティに並ぶTRPGではお約束のセッティング『ウィルダネス・アドベンチャー』と、学園祭という名の様々なミニイベントの裏で行われる『コンフリクト』もの。
特に「おっ!」と思ったのは、今回の後半・・・TRPGのGM経験者なら誰もが一度は考えた事があるであろう『コンフリクト』をシナリオに盛り込んだシナリオ。PC同士の対立・・・下手すればPL同士の対立となり、それはすなわちセッション崩壊への片道切符となりやすい題材。それをいかに問題なくシナリオに組み込むか・・・GMの誘導技術もさることながら、PL達のメタ視点も実に参考になる1冊でした。


ただ、その影響・・・メタ視点描写の多さ故か、いわゆるラノベ的な「物語を楽しむ」という部分は今回は少々弱いなぁと感じました。・・・今回の視点の焦点となってる彼のあの娘が最後あーなってアレでそんなカンジでまだ物語的にオチてないってぇのが弱さを感じる大きな理由の一旦かな・・・って、このテの感想『DXリプレイ・オリジン3巻』の時にも言ったなぁ。
まぁその分ゲーム的面白さは今まで以上なので差し引きゼロといったところでしょうか。p57の本来の目的を見失ったカッツの発言といい、p103のヴァリアスの魂の声といい、p200の『EXHPポーション』の名前が出た途端やる気を出す一同といい、『クリスタルブレイド』を巡ってのパーティー内での意見あれこれといい・・・嗚呼やっぱり人間“金”が絡むと素の面がモロ出てくるよなぁ・・・ww*1


あ、そうそうイラストなんですが・・・ヘソ出し&スク水ファムエローいエローいという意見も勿論あることはあるのですが・・・それ以上に、どーもアタシには新キャラのラリエットが『エステル・ブライト*2』に見えて仕方ない事の方が気になる今日この頃w




ダブルクロス・リプレイ・トワイライト3 さらば愛しき快男児
世界を駆け、時代を駆け、僕たちの心を駆け抜ける我らが快男児天花寺大悟が大活躍するDXリプレイシリーズ『トワイライト』も今回をもって最終回。我々に“漢”と書いて“おとこ”と読ませる事すら弱々しく感じさせる・・・“侠”と書いて“おとこ”と読むに相応しい義侠の快男児の最後の活躍は如何に・・・?


もう、ね・・・何と申しましょうか・・・・・・畜生格好良いなぁ快男児 それに尽きるかと!!
前巻はダンディとかナチガメッシュとかで『お笑い』リプレイのイメージが強かった部分を感じましたけど、今巻は第1話目の料亭のシーンとか、最後の「罪を憎んで人を憎まず」なやりとりといい、兎に角近年並ぶものの無い『渋さ』を感じさせる1作に仕上がってると思いました。イラストも・・・見開き絵がね、今回3枚あるんですよ。うち1枚はエンディングでの1枚なんですが、残る2枚は両方とも第1話目に使われてるんですよ。しかも2枚とも描かれてるキャラ、全く同じなんですよ。だがこの2枚がシビれる程格好良い!! 腐女子でもねぇのに鼻血噴く程格好良い! そしてその絵に全くひけを取らぬGMと快男児のやりとりが涙出る程格好良い! これはアレだね! 俺の中のPC1参考書の為のバイブル決定だね! 畜生いいなぁ快男児・・・!(惚


それと個人的に感心したのがギヨームのロールプレイ。
始めはいきなり「予言書が読めなくなってきてダメダメになってる」ってェので、いきなり勝手な設定加えて・・・大丈夫かしらと訝しんだのですが・・・いや、流石は歴戦のTRPGゲーマー! 寧ろ当初与えられたハンドアウトをうまく活かして本来の自分を取り戻すくだりなんかは上記快男児のシーンに並ぶほどグッとくるものがあります。いやホントこの辺りはうますぎ。あまりの違和感の無さに、「あれ? 初めっからこーいうハンドアウトだったっけな?」とか錯覚する程ですw


そしてリプレイ中のゲーム描写に関してですが・・・これは3巻だけに限らず、『トワイライト』シリーズって、他のDXリプレイに比べて格段に『ゲームとしての描写』が多いんですよねぇ。ちゃあんと購入判定してたり、手に入れたアイテムを活かしたり、ヨーロッパ諸国をボードゲームのように飛び回る特殊処理を行ったり、DXでダンジョンという想像もしなかった事をしでかしたり・・・。
勿論、3巻にも凝った仕掛けは盛り沢山でした。特に印象に残ったのは、やはり最後の最後・・・各PC最大の見せ場となるあの脱出シーン。
PCが全員別々の役目を狙ってキャラクタージェネレイションしたからこそのあの展開・・・というのもありますが、それを鑑みてもあの演出はシビれます。物語上の展開を無理なくルールに落とし込んだ上で、各人に他の人には絶対無理という見せ場を作ってあげる・・・これは並大抵のGMではとてもじゃあありませんが出来る芸当ではありません。っつーか俺には不可能!w そういった「DXという“ゲーム”の参考書」としても実に良く出来たリプレイシリーズだったと思います。


時代が大戦直前だけに、あの時代の有名人がそこらかしこで登場し、知っている人はニヤニヤ笑いが止まらないという面白さも兼ね備えた『ダブルクロス・リプレイ・トワイライト』シリーズ。まだ読んだ事ない人は・・・大戦直前の混沌とした雰囲気、『デビルサマナー 葛葉ライドウ 対 超力兵団』とか『シャドウハーツ(1・2)』とか、そういうのが好きな人は・・・そして、その心に正義を愛し、義に燃える“快男児”の心あるならば、是が比にでも一読の程を!!

*1:特にこのゲーム、“金”の持つ力が顕著だからなぁ・・・w

*2:英伝6主人公