『ゆうやけこやけ』セッション 「狐の社で」



まあとりあえずこの1月ほどの間に2度ほど・・・『ゆうやけこやけ』(PL)と、『SW2.0』(GM)のセッションを行ったので、その内の1本・・・6/21(土)に行った『ゆうやけこやけ』セッションのレポでも今更ながら載せてみようかなーと思う次第です。


そして以下はいつも通りのお約束・・・


※ 本シナリオは、いわゆる「公式シナリオ」です。
  これより下は、ネタバレしている部分が多分に有る為、読み進める際には“覚悟”した上でお願い致します。









当日は久方ぶりのTRPGセッション。プレイするのは以前からどらんく氏がプレイしてみたいと言っていた『ゆうやけこやけ』。
そしてB+Pには「『ゆうこや』セッションやろー」と言われた時から是非ともやってみたいキャラがありまして・・・


・・・まぁ、いつも通りまずはキャラクターの紹介などから。




・ツヅラ
種族:狐  性別:♀  実年齢/人間時外見年齢:ン百歳/15歳
町の外れにある大きな神社・・・そこに大昔から・・・まだ町に、“鉄の馬”が走り回るよりずっと昔から住んでいる狐・・・それがツヅラです。
ちょっといばりんぼで、ちょっといじっぱりで、ちょっとさびしがりや・・・そんなツヅラは、昔から生きてるだけあって、とっても物知り。町の動物たちは、何か自分の知らないこと、困ったことがあるとまずはツヅラのところに来て相談する。・・・ひょっとしたら、ツヅラの態度の大きさはそのせいなのかもしれません。
でも本質はほかの子たちと一緒。みんなで遊ぶのが大好きで、いつも楽しいことはないかと探している・・・だから彼女は今日も自分の社を飛び出し、町へと遊びに行くのです。時には隣の山へ。時には麓の駄菓子屋へ。時には雑貨屋、時には川辺、時には子供たちの集まる空き地へ・・・。
PL:ユンの字


・オヤビン
種族:猫  性別:♂  実年齢/人間時外見年齢:かなり長生き/20代半ば
町のあちこちで見ることのできるノラ猫・・・そんなノラ猫の中の一匹・・・見た目は単なるデブ猫、人の目から見ればちょっとドン臭いけど愛嬌のあるノラ猫・・・それがオヤビンです。
しかし単なるデブ猫とバカにしてはいけません。こう見えてもオヤビンは何十年も生きていて、不思議な力も使えるノラ猫のボスなのです。
その不思議な力を使い、町のあちらこちらに行ったり来たりなオヤビン。時には人間の姿になって町を散策することもあります。人間の時のオヤビンは猫の時とは正反対・・・とても精悍で頼りがいのある青年の姿になります。
デブ猫のオヤビン。格好いい青年姿のオヤビン。どちらも同じ、この町のいろんなところが大好きで、この町のあちこちを歩き回るのが大好きなオヤビンなのです。
PL:掛茶


・そら
種族:犬  性別:♂  実年齢/人間時外見年齢:2歳くらい?/12歳
今でこそノラですが、元々そらは大好きなばっちゃと二人暮しでした。
ある日、ばっちゃはそらの首輪を外して言いました。「もうじき、ばっちゃはそらと一緒に遊べなくなる」「だからそらは、自分で好きなように生きるんだよ」。
それからしばらくして、ばっちゃはずっと寝たまま起きなくなってしまいました。いつまでたっても起きてこないばっちゃを見て、ああこれがばっちゃが言ってた事なんだなと、そらは理解しました。
なぜばっちゃは寝たままになってしまったのか。いつ起きるのか・・・それはわからないけど、起きるまではばっちゃが言ったとおり好きなように遊ぼう。おとといはあっちの山に行った。昨日はむこうの道の先に行った。この町はまだ見たことない場所がいっぱいだ。今日はどこで遊ぼうかな?
PL:新さん坊


・イコ=スー
種族:兎  性別:♀  実年齢/人間時外見年齢:??/14歳
イコには未来を見通す力がありました。彼女はその力を使い、方々でいたずら三昧。散々人々に迷惑をかけてきました。
それに怒ったとても偉い神様は、イコから未来を見通すその力を奪い、別の娘にあげてしまいました。具体的に言うなら去年の10〜12月頃!w
力を無くし、以前の悪いことばかりしていた頃の記憶も神様にほとんど封じられてしまったイコは、無力なウサギになってしまい、とぼとぼとこの町にやってきました。
流石にかわいそうに思ったとても偉い神様は、ある日イコに言いました。「今までのことを反省し、沢山“良い事”をしたら力を返してやろう」。
イコは、神様のこの言葉を信じて今日も“良い事”をするため、あっちにこっちに走り回ってます。
PL:B+P


GM:どらんく




・・・はい。見ての通り今回の(も?)most困ったPLはアタクシでございますw
何か知らないけど「けものキャラ」で「人間体にもなれる」、「兎も居るでよー」と知った瞬間に、頭の中に神(寧ろ魔王)が降りてきてしまったようで・・・・・・・・・で、でもプレイ中は至極まっとうな“ほのぼの”プレイに勤めましたでスよ!?


そう、この『ゆうやけこやけ』・・・キーワードは“ほのぼの”です。
ゲームの目的は世界を乱す魔を倒すことでも、危険な洞窟に潜り宝を捜し求めることでもない・・・ちょっとだけ人間の世界を知り、人間の言葉を知り、ちょっとだけふしぎな力を使える動物たちになり、町におこる小さな出来事にみんなでがんばって立ち向かったり、動物たちとなかよしな子供たちとの交流を描いたり・・・そんな、子供の頃に忘れてきてしまったような、どこか懐かしい、あたたかな物語を体験できるTRPG・・・それが『ゆうやけこやけ』。
ルールもダイス目の高低で「もう俺はダイス目なんて信じねェー!」「固定値だけを見ろ固定値だけを信じろ」「…ここで低い目出したら物理的に殺す…ッ!」みたいな殺伐とした状況を生み出さないオールダイスレス。セッション中、良い発言、素晴らしい行動、“ほのぼの”出来るような演出をする度に、他PLやGMから貰うことの出来る「夢」ポイントを使用して、他人との「つながり」・・・要するにロイスとかパスとか絆とかダーザインとかそんなカンジのもの・・・を作り、その「つながり」により得られる「ふしぎ」「おもい」ポイントを使用して、種族ごとのちょっと不思議な力を行使したり、能力値判定の際のブーストに使ったりするわけです。


斯様なルールである為、序盤から各PLの妄言演出が酷・・・否、凄まじい事凄まじい事!
そもそも今回プレイしたシナリオは、ルルブ付属のサンプルシナリオ・・・シーン数にするとわずか4シーンだけ・・・とある寂れた社に住み着く狐の少女、鈴音。人も通わぬこの社にたまたま遊びに来ていたPCたちは、鈴音と出会い、つかの間の楽しい時を過ごす。・・・だが、時が経つのは早く、何時の間にか日は暮れ、各々は自分のねぐらに帰る時間。その時突然降り始める雨。それはPC達と別れたくない鈴音が、ちょっと不思議な力で降らせたいたずら雨。その事に気が付いたPCたちは、彼女の心を知り、また遊びに来る事を伝え・・・鈴音と友達となり、シナリオは閉じられる。
・・・その程度の、本当にごくごく短いシナリオだったのです。・・・だったのですが・・・・・・。


鈴音の気持ちに気が付いたツヅラ、オヤビン、イコの3人*1は、「何とかして鈴音の寂しさを紛らわせてやりたい」とあれこれ画策開始。その結果、各PC・PLの妄言策謀炸裂爆発大暴走。
まず「雨が降っているし今日は泊まっていけ」という鈴音の元に、そらとイコの2人が残り気をそらしつつ、ツヅラとおやびんの2人はこの町の護り神様の元へ。かつては鈴音の社の近くでも毎年祭が行われ、動物たちも子供たちも近所まで遊びに来ていたが、町の発展と時代の移り変わりにより、今は祭も行われなくなりすっかり寂れてしまった事*2。鈴音は別に社から離れられないわけではないのだが、すっかり凝り固まってしまった頭故、寂しさを感じながらも自ら他へ遊びに行こうとしない事の2点を情報収集。


その情報を元に4人で作戦会議開始。「…そういえば、近々お祭があったのう?」「向こうの山の神社で、今度の日曜日に行われるのです」・・・妄言に妄言を重ね、まるで予め決まっていたかのように会話するPLの強引な会話により、急にお祭が行われる事にw
その後、ああでもないこうでもない、そもそも何をどうするべきなのか? 我々は何をするのか? 鈴音にはどうなって欲しいのか? ・・・色々な案を出しつつ、皆の能力を活かした一つの作戦が打ち立てられる。


まず、ツヅラの能力で鈴音に昔の光景・・・鈴音自身がお祭を楽しんでいた頃の光景を夢見させる。それは今よりずっとずっと昔の話。まだ鈴音も小さい頃の、とてもとても楽しい思い出。
その後、イコの能力「他者に疑われない」を使って、社からほんの少し引き離す。「向こうでみんなが集まっているので遊ぶのです」と。
少し歩いたところでオヤビンの能力を使い、空間ワープ。オヤビン、イコ、そして鈴音はとなりの山の神社の近所へ。
・・・歩きながら鈴音の話・・・昨日見たという楽しい祭りの夢の話を聞くオヤビンとイコ。するとどこからともなく聞こえてくる祭囃子。「…夢のそれは、こんな楽しいお祭だったですか?」・・・くるりと鈴音に向かって振り返ったイコの後ろには、沢山の提灯に飾られ、色取り取りの浴衣に身を包んだ人々による、楽しい楽しいお祭の光景が広がっていた。
全てに気が付いた鈴音。そこにそらが現われその能力・・・相手に謝り、許してもらう・・・を使い、鈴音を騙してつれて来た事を謝りつつ、皆の想いを口々に伝える。
これから自分たちも社に遊びには行く、けど鈴音も出来れば皆のところに遊びに来て欲しい。外の世界にも出てきて欲しい。町に行けば子供たちと遊ぶことも出来るし、鈴音の社で祭を行う事はもう出来ないけど、こうやってこちらに来ればお祭を楽しむことは出来る。遊びに来てもらったり、遊びに行ったり・・・そうすれば、きっともう寂しいなんて思う事はなくなる。もっともっと、楽しくなる・・・。


・・・まぁ、そんなワケで途中からPLの妄言炸裂の、元のシナリオからスピンアウトしまくりのお話も案外綺麗にまとまり、鈴音に本当の笑顔が蘇ったところで・・・皆でお祭の喧騒の中に消えていったところでシナリオは閉じられました。


いやー! 普段滅茶苦茶なロールプレイばかりの面子でもまともに“ほのぼの”展開に出来るもんだねェ! いつもはサーチアンドデストロイ。キルケイオスキルケイオスばかり言ってるような面子でもまともに良い話に出来るもんだねェ! 終わった後、当初の想像以上に良い結末に落ち着いたことにちょっとビックリしました。
まあ勿論、プレイに関係ないPL発言の部分では「今から作戦を開始する。皆、時計を合わせろ」とか「良く来たな…さあ今宵は宴、(両手を広げ戦闘態勢を取りながら)存分に楽しもうぞ…!」とか「この味は!……ビックリしてる『味』だぜ……ジョルノ・ジョバァーナ!」などの酷いを通り越して製作者に土下寝しなくてはならないような発言目白押しでしたけどね!!www


【得た「思い出」:31点】

*1:空気を読めず、嘘をつくことが苦手なそらは、わざと判定に失敗し、鈴音の気持ちには気がつかず。

*2:元は自分が勝手にNPC(護り神様)乗っ取って吐いた妄言でしたがw