『BBNT』セッション 「贖罪回廊」

※ 本シナリオは、いわゆる「公式シナリオ」です。
  これより下は、ネタバレしている部分が多分に有る為、読み進める際には“覚悟”した上でお願い致します。




GM:B+P


・鏡 道御(かがみ みちずみ)/魔の名前:『ミラーシェイド』
PC1 35歳 male 探偵
サンプル「宵闇の探偵」そのままなので、ブラッドは「イモータルアーティファクト
大都会の片隅で探偵業を営む壮年の男。その素性は一切不明で、何時の頃からこの街に居るのか、何時の頃から探偵をやってるのか誰も知らない男。しかしそれも無理ない。他の誰よりも彼の事を知らないのは彼自身なのだから。
気が付いた時にはこの世界に居た。それ以前の記憶は一切無い。分かっている事は、自分には半身とも言える存在がこの世・・・なのかどうかは分からないが・・・の何処かに居るという事。そのカギとなるのが、腕に抱いた一振りの魔剣であるという事・・・ただ、それだけである。
何をアテにして生きていけばいいのか・・・何を目標にして生きていけばいいのか・・・それすら分からぬまま月日だけが無情にも流れていく。元々不死者である彼にとって、時の流れなぞ意に介する所ではないのだが、生きる意味すら見出せぬ現状では、次第に自意識そのものすら薄れていく。それは不死者が“死ぬ”唯一の理由・・・。ならばせめて、自分が何物であるのか・・・それくらいは知ってから“死”を迎えたい。ひょっとしたらそれを知ることが出来れば・・・否、それを追い求めるその事こそが“生きる理由”になるかもしれない。
沢山の自己矛盾を抱えながら、彼は現代を“生きる”為、今日も街へと繰り出す。
PL:白兎


・大神 シロ(おおかみ しろ)/魔の名前:なし
PC2 18歳 female 警察官
サンプル「法の番犬」そのままなので、ブラッドは「ビースト/フルメタル」
人も通わぬ山奥にひっそりと息づく人狼の里。大神シロはそんな里を代表する長の一人娘であり、ゆくゆくはその座を引き継ぎ、里を導いていく立場である。
そんな大神シロの人生(?)を大きく変えたものがあった。それは里にただ1台だけ設置された近代文明の粋を結集したハイテク機器“テレビ”。一体何処からどうやって電波を傍受してるのやらさっぱり分からないが、兎に角そのブラウン管から流れてくる夢のような世界に、大神シロは心を奪われた。
特に彼女が好んだのは『あ●ない刑事』『西●警察』『太陽に●えろ』などの熱い刑事もの。結果“警察”というものに憧れを抱き、その道を歩み始めるのはごく自然な事であった。だが厳格という言葉を具現化したような彼女の父はその道を許しはしなかった。父の大反対の猛反対を受けながらも、里の皆の協力も得て、期限付きで大神シロは里を離れ、この池袋にあくまで「勉強の為」にやってきた。「勉強の為」という約束ではあったが、里を離れてさえしまえばこっちのモノ! “人狼”という素性、それ故の潜在的な能力の高さのため、程なくして大神シロは晴れて警察庁の「死霊課」へと配属となった。
警察の規則とかそういうのはさっぱり分からないけど大丈夫! テレビではみんなそんなモノ平気で破ってたし・・・一番大事なモノ、“正義”が何なのかは分かってる! それさえ守っていれば、きっとみんな頭を撫でて褒めてくれるッス!
PL:新さん坊


・椿 アキハ(つばき あきは)/魔の名前:『アキ@2テイル』
PC3 18歳 female ブローカー
サンプル「誇り高き龍」そのままなので、ブラッドは「ビースト/スピリット」
古くは「蘇妲己」「玉藻前」と、ことごとく時代を混沌に陥れてきたアヤカシの中のアヤカシ“九尾の狐”・・・だが時代が下れば格も下がるものなのか・・・今や九尾の狐も人間社会に溶け込み、通勤ラッシュに喘ぎながら会社に通い、上司の顔色を伺いながら頭を下げ、スーパーのタイムセールを気にし、晩の食事の献立に頭を悩ませる・・・何処からどう見ても普通のサラリーマンと主婦である。椿アキハは、そんなごくごく普通の一般人に身を窶した2人の九尾から生まれた純血種の九尾の狐である。・・・尤も、まだ未熟者故、その尻尾は九尾には程遠い“ニ尾”の状態なのだが。
そんな一般人(?)の家庭に生まれた彼女が歩んだ道は、何故か「闇ブローカー」!! ・・・とはいえ、売りさばくのは違法とはいえ、半分ジャンクとも言えるPCパーツ程度なのだが、それでも立派な犯罪者と言えよう。
何故に彼女がこの若さでそんな道を歩む事になったのか、何が目的でブローカーを営むのか・・・ごくごく普通の生活を営む“九尾の狐”・・・そこに全ての理由があるのか・・・普段はおちゃらけた言動ばかりの彼女の心の奥底には、どのような“想い”が渦巻いているのか・・・それを知るのは、勿論彼女一人だけ・・・。
PL:ユンの字


屋島 ほたる(やしま ほたる)/魔の名前:『フローライトΣ』
PC4 60歳over(外見14歳) female 給仕
サンプル「無垢なる人形」そのままなので、ブラッドは「フルメタル/フルメタル」
旧日本帝国軍は、来るべき米国との全面戦争に備え、人知を超えた兵器を開発した。自意識を有し、あらゆる局面をたった1体で切り抜ける、1国の軍事力をも上回る性能を秘めたアンドロイド・・・その悪鬼のごとき戦闘能力と、それとはかけ離れた華麗さを併せ持つ彼女は、敵国米国より『フローライトΣ』(蛍石)のコードネームで恐れられた。
だが史実が全てを現わす通り、完全なる実践投入の前に戦争は終結した。日本帝国の敗北という形で。
米国が日本に乗り込んで来た時、彼らは真っ先に『フローライトΣ』を探した。だが既に彼女の存在は完全に隠蔽され、米国はその詳細の尻尾すら掴む事は出来なかった。隠蔽工作を一手に担ったのは、彼女の開発に関わった軍人の一人。米国に徴収されれば、再び彼女は戦いの場に引き出される事は目に見える。戦争が終わった今、これ以上彼女を戦争という悲惨な世界に舞い戻らせてはいけない。“兵器”として生まれた彼女ではあるが、きっとそれ以外の生き方も出来るはずだ。
・・・そして60年。池袋の傍らにあるシックな雰囲気の茶店。彼女と軍人は、その店でひっそりと暮らしていた。素性の知れないマスターと、いつまで経っても外見の変わらぬ給仕の少女に疑問を抱く者も居るが、それなりに常連もでき、少女は『“兵器”フローライトΣ』ではなく、『“少女”屋島ほたる』として現在を生きている。
・・・とまぁ、難しい説明を無理矢理してみましたが・・・要は「安藤まほろ」さんですな。わっかりやすぅーww
PL:どらんく




ゲーマーズ・フィールド 9th Season Vol.1」掲載の公式シナリオ。
ひとりの歪んだ思想に取り付かれた女性によるカルト集団。流布する“呪い”の噂。何の力も持たぬ、単なる女性の歪んだ妄想から始まった噂は、いつしか実体を持ち始め、新たなる“魔物”となり街を恐怖で満たしていく・・・骨子はそんなカンジ。


「『妖魔夜行』みたいな話がやりたいにょー」
全ては新さん坊のそんな発言から始まりました。そら一番良いのは『ガープス妖魔夜行』をやるのが一番良いに決まってます。でも『ガープス』および『妖魔夜行』なんて持ってるのは自分だけ*1だし、ルールを知ってるのも自分だけ。ただでさえ時間の無い我々・・・1からキャラ作成、ルール説明なんぞしてたら、実際にプレイするのは半年とかの時間を要する事になるのは火を見るより明らかです。何よりどーせGMやる事になるであろう自分が、『妖魔夜行』言われてもリプレイはうろ覚え、ノベルの方に至っては大昔の「コンプRPG vol.1」に載っていたじょしこぉせぇがインキュバスにエロいことをあれこれされる話しか知らないので、「『妖魔夜行』みたいな話」そのものを作り出す事が不可能なわけでw ・・・そんな経緯から「多分、それっぽいんじゃあないかなぁ?」という本シナリオが選択されました。勿論、久しぶりにBBNTやりたかったというのも大きな理由の一つです。


今回のメンバー中、ユンの字とどらんくの2名は1度プレイした事があるせいもあって、進行自体は非常にスムーズに進みました。前回、数シーンに渡ってこのゲームの肝でもある『絆チェック』をさせる事を忘れてしまうという大ポカも今回は無く、各自それまでの展開、PC同士の掛け合い、出逢ったNPCを最大限利用して『絆チェック』を行ってくれて・・・何故に君らパーティはそんなに仲が悪いんだい?w クライマックス直前まで他PCに対しての絆が“エゴ”なヤツばっかりなのはロールプレイ故なのか、それとも“エゴ”だから仲悪いロールプレイなのか・・・まぁ、いつも通りと言えばいつも通りなのですが・・・w


そしてクライマックス。街の人々の心を蝕む魔物がその姿を完全に現わす! 未だかつて味わった事の無いほどのFP*2を有する魔物。毎ターン増殖し続ける魔物の手下。
BBNTはAGPの計算等がある為、他のFEAR系のゲームに比べてクライマックス戦闘はかなりの時間を要するのは数回のプレイで十二分に理解していたので、なるべくPLがすんなり動けるようにと、せめてものPLへの情報として魔物の持つHAの数、魔物のFPだけは戦闘開始時に伝えました。その両方を聞いて、明らかに戦々恐々どころかドン引きするPL達。っつーか、体力350点*3のモンスターなんて初めて扱ったよ。俺w
ただでさえ“死に至る病”等の相手の行動をファンブルにするHA、“アドベント”等の他人を生き返らせる系のHAに乏しい今回のパーティ。皆、毎行動の度に熟考に熟考を重ねた作戦を練る為、長時間ステイシス。ぶっちゃけ、全セッション時間の半分はクライマックス戦闘でした。大マジでw でも、その熟考のかいあって&GMが通常範囲攻撃+クリティカル(6d6+13)で45点とかいう無駄に大きなダメージを出したせいで、椿アキハをカバーリングした大神シロに“復讐の爪”で90点とかいうダメージを返されてしまい・・・2ターン目ラスト、屋島ほたるの“フルファイア”を加えた全力攻撃の前に、人々の心の闇が生み出した魔物は霧消するのでありました。・・・削れるもんなんだね、350点って(驚


一部、人間性がやばげな人も居ましたが、とりあえず全員自我を保ったままエンディングへ。皆が皆、日常(?)の生活へと戻り、平和な街が再び戻った演出を行いシナリオ終了と相成りました。
シナリオ終了後も「次は屋島ほたるの姉妹とかが出てくるんだヨ! 60年前、ほたるを生み出す為の試作体とかそういうのがルビーとかサファイヤとか!」などと盛り上がり、GMとしても、そこにPC1のネタも絡めたシナリオフックを思いついてしまったりなど・・・機会があったら、是非とも続きなどやってみたいですなぁー(希望


【GM経験点 : 14点】  自己評価・・・中の上

*1:しかも勿論のこと4thなどではなく、大昔の文庫版3rd。

*2:他のゲームで言う「HP」。

*3:魔獣化前:25点 魔獣化後:325点