ドラえもん 新・のび太の宇宙開拓史

毎回毎回、旧作を観た事があるファンにも新鮮な気持ちを味あわせる為のエピソードを付け加えたり、煮ても焼いてもどうしても使い道の無いスネちゃまを何とか活躍させようとしたり、「棒ってレベルじゃあねーぞ!!」というような、聞いてて魂が抜けて行きそうなタレント声優の為に、「蛇足ってレベルじゃあねーぞ!!」という新キャラを付け加えた結果、詰め込みすぎ&展開の空転で、テーマがぼやけまくってイマイチな出来になってしまっていたここ数年のドラ映画。・・・いち旧作ファンとしては、新要素は一切要らないしアッと驚く展開も要らないから、ただただ現代のアニメーション技術でひとつひとつの演出の完成度だけを高めた、新鮮味は無くとも堅実で丁寧な作品が観たいんだけどなぁ・・・。
あと、スネちゃまを活躍させたいなら、とっとと『宇宙小戦争』と『鉄人兵団』をリメ・・・・・・【『新・魔界』の出来を思い出す】・・・・・・ナ、ナンデモナイデス。ナンデモナイデスヨー。ハイ(汗


・・・そんなワケで年に1度春のお約束、今年のドラえもん映画『新・宇宙開拓史』観てきました。例によって引率の先生はロリコン大帝どらんく氏です。


早速感想・・・と行きたいのですが、まずは戯言を・・・
・・・ぶっちゃけてしまうと、自分は旧ドラ映画は『恐竜』〜『雲』までしか観てません。観てないのではありますが、その中でも『宇宙開拓史』はダントツでガッカリ度の高かった、自分の中では評価の低い作品でした。
理由は“いつもの5人”の物語で無かったという点。・・・一応、序盤や最終決戦などでは全員登場となりますが、基本的に物語は終始ドラ・ノビちゃん・ロップル(…とチャミー)だけで進められ、ジャイアン・スネちゃま・しずちゃんというドラには欠かすことの出来ないいつもの3人はほんとのほんとにチョイ役扱い。まだ『魔界』のドラミちゃんの方が活躍してたのではというレベル。

「あくまでドラは“いつもの5人”が話の中心に居なきゃダメだろうッ!?」

物語そのものは、総じて観ればそれほど悪くはなかったのですが、その1点が喉元に突き刺さった魚の骨となり、歴代の中でどうしても好きになれないドラ映画として心に残っていました。


・・・で、今回の『新・宇宙開拓史』です。
まあそんな元々が思い入れ無い作品故、逆に「ひょっとしたら名作に化けてるかも…?」という期待・・・ちょうど2年前と逆の期待感なのが何とも言えませんが、兎角そんな気持ちでいざ入館。いよいよ開幕です。








・・・では、ここよりネタバレアリアリの感想を。


まず、総評ですが・・・「うん。可も不可も無く『宇宙開拓史』だなw」と。
勿論、細かい部分で言えば・・・
・追加した意味が良く分からない新ヒロインだか何だかのエピソードのせいで、せっかくの冒頭から延々張り続けていた“タイムふろしき”の複線台無しだよッ! 台無しだよッ!
・やっぱクレム(ロップルの妹)にパコさんは無理があると思う。一体何処から声を放出しているのであろうか?という、棒を越えた超音波ボイスを発する究極の生命体(アルティミット・シイング)過ぎw
・トカイトカイ星が、影も形も名前も出てくる気配も残り香すらも“ザ・ハンド”のスタンドに削り取られたかのように抹消(赤赤6)されてる事に笑いがこみあげてきたのは自分だけですか? そうですかw
・ええ、勿論皆が感動したであろう『二つの扉が離れ離れになりつつある中、のび太とロップルが別れを惜しむように互いを見つめ続ける中流れるエンディングテーマ』なんていう演出、微塵も存在しませんが何か?
・・・と、色々トホホな所は見え隠れするのは否めないのですが、『新・魔界』の「冒険総てキャンセルショートカット」とか『緑』の「壮絶に頭の弱い敵+何だか良く分からないけどPC1の《ガイア》でめでたしめでたし」のような、もう何処が悪いとか良いとかそういう以前の「ああこれは不条理系ギャグ漫画ですね?w」的問題点は無かったように思います。つか、ホントまんま『宇宙開拓史』やねw 序盤・中盤・終盤・・・展開はほぼ変わらず。ただ冒頭部と、クライマックス後に先に述べた新ヒロイン(?)のエピソードがオマケ的に差し込まれているってカンジでした。それだけに、旧『宇宙開拓史』があまり好きではない自分は、終始微妙な表情w
・・・ま、まあ新ヒロイン(??)のエピソードも、『新・魔界』のメジューサ関係の変更に比べれば100万倍くらいマシな代物だし、『緑』の姫様の存在の1億倍くらいは物語上でも意味があったんじゃあないかな? ・・・きっと。・・・たぶん。・・・そうなんじゃあないかなぁ?


・・・あ、ひとつ絶対的に他人に遠慮する事無く「良かった」と言える点があった! 思い出した!
漫画版ではあった最大の見せ場・・・のび太vsギラーミン」の一騎打ち!! 旧作映画では何故か削られていたこのシーンが見事に復活してました!!!
ギラーミンの声が大塚明夫氏であった為、このシーンは非常に格好良かったです! 流石に漫画の方はうろ覚えなのですが・・・「このガキ…やはり只者ではない…!」というギラーミンの心の声、そして相対するのび太の「この人…強い! 勝負は一瞬!」とか、(たしか)原作漫画を踏襲した台詞も素敵過ぎ。心が震えましたね!
このシーンは『恐竜2006』のラスト・・・「あくまで自分たちの足で目的地まで辿り着く」という改変同様、実に良い改変だったかと。




・・・そんなワケで、相変わらずの中二病+ドラ映画の感想となると老害臭丸出しで、結果悪口の方が多くなってしまい申し訳ないのですが、正直な意見を言わせてもらえば「今年のリメイクは悪くないんじゃない?」といったカンジでした。今のドラメンバーに変わってからの映画の中では・・・とは言っても『恐竜2006』『新・魔界』『緑』『新・開拓史』の4本のみですが・・・『恐竜2006』に続く第2位の良い出来に仕上がってると思います。自分が『開拓史』あまり好きでない為、正確な評価とはとても言えませんがw








・・・ところで恒例となっている「次回作予告」・・・
二角帽子(?)をかぶったドラえもんが海に飛び込むと、そこは色鮮やかな南国風の海中。そんなドラえもんの後ろをマーメイドが泳いでいく』
・・・・・・これはオリジナル? それとも『南海』リメイク??